人材育成、能力開発の重要性

社員研修の目的は、人材育成、社員個々のスキルアップ・レベルアップ(能力開発)にありますが、あくまでも社員研修の最終目的は「企業の利益」にあります。

近年、企業の競争優位の源泉であった商品やサービスは、ITの浸透や市場の成熟化によって、すぐに他社に模倣され、一度確立した競争優位もすぐに陳腐化してしまいます。そこで商品やサービスそのものよりも、「その企業の風土や社員のモチベーションの高さ」が他社との差別化を生む競争力の源泉となると考えられるようになってきました。

なぜなら、企業を構成する社員によって築き上げられた価値観や風土は、競合他社がいくら懸命に真似しても短期間で達成することは困難なため、競合他社に対する「大きな競争優位」となるからです。

そのためには、社員一人ひとりが自律的に考え、行動し、個々人の能力が企業の競争力に結びつくことが必要です。このような行動を促進させるためには、社員一人ひとりの意識、モチベーションを高めることが求められます。

しかしこういった能力向上を社員任せにすると非効率になる場合があるので、企業が先導して教育することで非効率さを軽減することができ、また、能力を向上し続けるには大変強い意志が必要なので、企業が自己啓発に対する動機付けや、その取り組みに対するフィードバックを行うことにより、社員が自ら能力を高めていくのをフォローすることが可能になります。

こうした人材育成を企業の「事業」と考え、社員を教育する業務が「社員研修」なのです。