ゆとり教育時代の新入社員研修

「新入社員研修」とひとくくりにに云っても、20年前の新入社員研修と現在の新入社員研修では研修内容が違ってきています。特に最近は、学生時代に「ゆとり教育」を受けて育ってきた新入社員への研修は以前と違ってきているようです。

そんな「ゆとり教育」世代の新入社員の意識をチェンジし、労働へのモチベーション・アップを図る研修が注目を浴びています。会社組織というのは、社内の上司や先輩も、社会に出たての新人の能力をほとんど信用していません。信用されるためには、何らかの「能力の証明」が必要です。

新入社員がちょっとした研修で身につけられる能力の証明が、外見、言葉遣いといったマナーだと本人にわからせるのがイマドキの新入社員研修のキモになります。ゆとり教育世代の特徴である「根拠のない自信」が通用しないのだとわからせ、逆にマイペースな新入社員に対しては「頑張らないと見捨てられる」くらいの危機意識を持たせることが新入社員研修です。

また、自分の好きなことやりたいことを重視するあまり、配属先が希望と違うと途端にヤル気を失ってしまう新入社員も多くなっています。昔に比べて入社間もない離職率が高くなっているのもこうしたことが関係しているのかもしれません。

以前のバブル期のような頭数の確保を最優先した時代とは違って、現在では各企業ともに基準に満たない人材は採用しない方向へと動いています。ゆとり世代の新入社員に現実をきちんと教えてあげるのが新入社員研修です。個性重視の教育では、何か欠点があっても個性として尊重してしまう傾向があります。相対評価から絶対評価に変わったことで、「ナンバーワンでなくても、オンリーワンであればいい」という甘ったれを叩きなおす必要も新入社員研修にはあります。